代々木上原駅前矯正歯科 國母 英一院長 (代々木上原) インタビュー

「一人だからこそできる治療 地域のアットホームな医院に迫る」 代々木上原駅前矯正歯科 國母 英一院長
代々木上原駅前矯正歯科は、小田急小田原線と東京メトロ千代田線が乗り入れる、利便性豊かな代々木上原駅の目の前に位置している。ユニットは1台のみで、ほかの患者さんとバッティングすることのないよう配慮された医院だ。取材日にはクリスマスツリーが飾られていた。院長自ら季節に合わせて装飾を変えているそうで、アットホームな医院として親しまれている。

朝早くから診療をしており、出勤前に寄ることもできる。多くの患者さんが来院できるよう診療時間を長くしているという國母先生は、患者さんを第一に考えた姿勢が随所に伺える。そんな國母先生に、思い出深いエピソードや噛み合わせに関する興味深いお話を伺った。

國母 英一院長 インタビューきっかけは、大学の卒業テストの時期なぜ矯正歯科医になろうと思ったのですか?
きっかけは、大学の卒業テストの時期でした。卒業テストに向けて補綴や口腔外科など色々な科を経験し、課題を提出するんです。たまたま私が担当した患者さんは「すきっ歯」の患者さんで、テストの課題としてその補綴物を作ることとなりました。

すきっ歯でしたから、隙間を埋めて見た目もよくなるよう製作して補綴物を提出しました。その結果、驚くことに、担当の指導医にその埋めた部分をバッサリと切り落とされて「これでいいんだ」と言われたんです。

そのときに「じゃあ、もとの歯を動かせばいいんじゃないか」と考えました。それならば歯並びを治す勉強をしてみようかと思い、矯正を選びました。今は『矯正をすることによって、患者さんがよりよい人生を歩んでいってほしい』と思って治療にあたっています。

院内お一人で診療されているとのことですが、1日の患者さんは何人ぐらいですか?
そんなに多くの方を診ることはできませんね。過去には、朝から晩まで頑張って20人くらい診たこともありました。人数を多く診たのは、ワイヤーのチェックや取り外し装置のチェックなど、治療が軌道に乗っている患者さんが多いときです。逆に、新たに矯正装置を装着するなど時間がかかる方ですと、人数を多く診ることは難しいです。

当院の診療時間が長いのは、多くの患者さんにいらしてほしいから。朝は7時から診療しているため、出勤前に立ち寄る方も多いです。あとは、学校終わりの夕方の時間が多いですね。どうしても混み合う時間帯がありますが、ユニットは1台しかありません。患者さんを分散させるためにも、診療時間を長くしてニーズに合わせるよう頑張っています。

学校終わりの患者さんも多いとなると、近隣の方が多いのでしょうか?
近隣というよりも、駅が近いですから、自宅から離れても通ってくださる方が結構います。子どもの患者さんが多く、1人で電車を乗り継いで来る子もいます。自宅から距離があっても、塾へ行くのと同じ感覚で来院する子が多いのだと思います。

あとは、乗り換えのついでにいらっしゃる方もいます。代々木上原駅は乗り入れがあり、アクセスしやすいようで助かっています。駅の目の前ですから、多少の雨なら傘なしでも濡れずに来れますよ(笑)。

親子二代で通ってくださる患者さんがいます印象深い患者さんとのエピソードはありますか?
ここで開院して10年経ちますが、親子二代で通ってくださる患者さんがいます。神奈川の遠くから来る患者さんなのですが、そのお母さんは若年性の歯周病で、治療で苦労をされた方でした。そのため、子どもには同じ思いをさせたくないとお子さんを連れてきました。

話を聞いてみたら、以前そのお母さんに「子どもが生まれたら何歳から矯正すればいいですか?」と聞かれて、私が「3歳になったら連れてきて」と言ったから連れて来た、と言うんです。

正直、私は3歳と言ったのはあまり覚えていませんでした。それを覚えていて、本当に連れてきてくれたことに感動しました。それだけしっかりしたお母さんが患者さんでよかったと思います。

3歳というのはどういった理由があるのでしょうか?
不正咬合は、乳歯列が完成した段階である程度わかってきます。唇の強さや舌の癖、呼吸、唾液の飲み込み方などから歯並びが悪くなってきます。歯並びだけでなく、癖の問題があるかどうかも3歳くらいになるとある程度わかるようになります。

また、乳歯列の時期からしっかり通院することで、虫歯などのチェックや予防処置もしながら歯列を守っていくことができます。これも矯正の役目であると思っています。矯正とは、歯だけでなく、一口腔単位で考えるもの。『なってほしい形』に誘導していくのは簡単ですが、虫歯や歯周病など『なってほしくない』要素を取り除いていくことも重要だと思います。

成人矯正と小児矯正、どちらが難しいのでしょうか?
どちらが難しいということはありません。私の師匠は「早期に治療を始めれば顔はあなたの考えに適合してくれる、治療が遅れるとあなたの考えを体に合わせよ」とおっしゃっています。

受付子どもは成長を利用できるというメリットがありますが、大人の場合は成長が終わっているため、その顔に合った歯並びを作らなくてはなりません。成長があれば顔を治すことができますが、その段階でよい方向に誘導していくことと悪くならないようにするという両方が必要です。

矯正治療において機能不全の問題は非常に大きく、後戻りは避けては通れない道です。後戻りをしてしまう一番の問題は、呼吸と嚥下。ここが安定しなければ、せっかく矯正治療をしても後戻りしてしまいます。

そのため私は、一番大事な呼吸と嚥下も指導しています。嚥下の問題が特に大きいウェイトを占めている症例に関しては「今日は舌の訓練の日」と、舌の訓練だけで来てもらうこともあります。そうすることによって『この訓練は矯正治療においてとても大切』ということをわかっていただきたいんです。

機能不全とは具体的にどういったことですか?
機能不全の代表的なものは口呼吸です機能不全の代表的なものは口呼吸です。口で息をすると姿勢が変わります。たとえば鼻詰まりのとき、背筋を伸ばすと息苦しさを感じるため、猫背になることで呼吸を楽にします。そうするとオトガイ筋が引っ張られて顔は面長となり、顎は発育せずにどんどん下に向かって成長していき、出っ歯となってしまいます。さらに、姿勢が崩れることによって舌が歯と歯の隙間に入る癖ができて習癖となってしまいます。

姿勢・習癖・筋肉・嚥下、これはサイクルで、1つでも狂うとすべて狂ってしまいます。そのため、単純なアレルギー性鼻炎なども歯並びに影響を及ぼします。歯だけでなく、歯科医師としてそういったことも診ていくのが仕事だと思います。

開業された理由を教えてください
長いこと下北沢に住んでおり、下北沢近辺で開業したいな、と頭にありました。たまたま代々木上原の物件が空いたとの連絡があり、見た所がここでした。もともと「開業するときは、1つの予約枠に患者さんは1人だけ」という治療がしたかったので、ユニットを何台も置くつもりはありませんでした。

ここはそんなに広くはありませんが、ユニット1台で自分の理想とする治療ができるのではないかと思って決めました。

診察室医療機器

どういう歯科医院がよいのか、歯科医院を選ぶポイントを教えてください
やはり診断でしょうね。診断がしっかりしているかどうかだと思います。たとえば口腔内写真にしても、横を取っている人は多いですが正面を取っている人は少ないです。

私は、患者さん一人ひとりに対して治療目標を作っています。その方が治療後にどういう顔になるのかを計算し、そのためにどのくらい歯を動かすのかまで計算して出しています。ただ、数値のままだと患者さんがわかりにくいため、計算して出したものを最終的に絵にして表現しています。

さらに当院では、患者さんに今の治療がどういう状況かを書いたものを紙でお渡ししています。目で見てわかれば、患者さんの励みになるのではないかと思っているからです。正直なところ結構手間がかかりますが、その治療目標を見れば「少し治療が遅れているな」「このケースだとここが注意事項だ」ということがすぐにわかるため、これからもずっと続けていきたいですね。

院長プロフィール國母英一院長<経歴>
1988年 神奈川歯科大学卒業
1988年 東京歯科大学矯正科勤務
1993年 都内矯正歯科医院勤務
2006年 代々木上原駅前矯正歯科開院

<所属・資格>
渋谷区歯科医師会会員
医療管理委員
日本矯正学会会員
東京矯正学会会員
Biopogressive Study Club 学術担当理事
Gujino コース フィロソフィーコース インストラクター

代々木上原駅前矯正歯科 基本情報

住所 東京都渋谷区西原3-11-6 杉本ビル2F
アクセス 東京メトロ千代田線、小田急線 代々木上原駅 徒歩0分
電話番号 03-5452-1184
診療科目 目立たない装置(透明な装置、裏側矯正、舌側矯正、マウスピース矯正)
予防矯正・成人矯正・小児矯正・インプラント矯正
診療時間 7:00~20:00(日曜祝祭日は16時まで)
休診日 月曜日

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