iPS「視細胞」移植 世界初の臨床研究で安全性確認
iPS細胞から作りだした網膜の一部「視細胞」を重い目の病気の患者に移植する世界初の臨床研究について、移植を実施した神戸市の病院は1年後も拒絶反応などは見られず、安全性が確認されたと明らかにしました。
1人の患者では目の機能の改善も認められたということで、効果を詳しく調べることにしています。
研究チームは、「網膜色素変性症」という重い目の病気が進行した患者に、他人のiPS細胞から作った網膜の一部「視細胞」をシート状にして移植する世界初の臨床研究を進めています。
研究チームによりますと、おととしから去年にかけて移植を受けた40代と60代の患者2人について手術から1年後の時点までの経過を調べたところ、移植した視細胞は網膜に正常に定着していて、拒絶反応やがん化といった合併症は起きておらず安全性が確認できたということです。
60代の患者では、視力や視野などの検査の結果、機能の改善が認められ、研究チームはより多くの患者に移植を行い、効果を詳しく調べることにしています。